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東京地方裁判所 昭和52年(ワ)1710号 判決

原告 中井まち子

〈ほか二名〉

右原告ら訴訟代理人弁護士 田中平八

被告 有限会社ニシムラ

右代表者代表取締役 西村武夫

被告 西村武夫

右被告ら訴訟代理人弁護士 笠原喜代三

主文

一  被告らは、各自、原告中井まち子に対し、金六五八万六四〇〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

二  被告らは、各自、原告鎌田三郎に対し、金二六九万〇一六〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

三  被告らは、各自、原告高橋忠治に対し、金八二万八四〇〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

四  原告らの被告らに対する各その余の請求をいずれも棄却する。

五  訴訟費用は、原告中井まち子に生じた分はこれを九分してその六を被告らの負担とし、その余を原告中井まち子の負担とし、原告鎌田三郎に生じた分はこれを三分して、その二を被告らの負担とし、その余を原告鎌田三郎の負担とし、原告高橋忠治に生じた分はこれを九分して、その八を被告らの負担とし、その余を原告高橋忠治の負担とし、被告らに生じた分はこれを一三分してその九を被告らの負担とし、その余を原告らの負担とする。

六  本判決は、原告中井まち子において被告らに対しそれぞれ金二二〇万円の各担保を供するときは右一に限り仮に執行することができ、原告鎌田三郎において被告らに対しそれぞれ金九〇万円の各担保を供するときは右二に限り仮に執行することができ、原告高橋忠治において被告らに対しそれぞれ金三七万円の各担保を供するときは右三に限り仮に執行することができる。

事実

第一当事者双方の求めた裁判

一  原告ら

1  被告らは、各自、原告中井まち子(以下「原告中井」という)に対し、金九二二万六四〇〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

2  被告らは、各自、原告鎌田三郎(以下「原告鎌田」という)に対し、金三七〇万八九六〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

3  被告らは、各自、原告高橋忠治に対し、金九四万九〇〇〇円及びこれに対する昭和五二年三月五日から完済に至るまで年五分の割合による金員を支払え。

4  訴訟費用は、被告らの負担とする。

との判決並びに仮執行宣言。

二  被告ら

1  原告らの被告らに対する各請求をいずれも棄却する。

2  訴訟費用は、原告らの負担とする。

との判決。

第二当事者双方の主張《省略》

第三証拠関係《省略》

理由

一  《証拠省略》を総合すれば、社員が僅少の小規模の企業体の有限会社である被告会社は、昭和三七、八年頃から東京都台東区北上野三一二番地所在の家屋番号同町一〇四番二鉄筋コンクリート造屋根付三階建なる高橋ビルの一階を賃借してそこに作業所を設けて、皮革服の製造卸売業を営み、昭和四〇年頃皮革服製造のための型紙としてセルロイドを使用していたが、その後これを余り使用しなくなったこと、そこで昭和四二年頃被告会社の代表取締役の被告西村の指示に基づいて、被告会社の従業員が右セルロイドの型紙約六〇枚(重量約五キログラム)を積み重ね、この中にボール紙の型紙も混入させたボール箱(縦九七センチメートル、横五八センチメートル、高さ一一センチメートル)を高橋ビルの一階部分にある中二階(約三〇平方メートル)の倉庫(間口三・二メートル奥行四・四メートルの約一四平方メートルで天井との高さは一・五三メートル)の南側の床面に置いて、その後長年月放置していたところ、昭和五一年八月二五日午前一一時五五分頃右セルロイドが二、三日来の高い気温と湿度により自然に分解して発熱し、瞬時に爆発現象を起し、その熱風が別紙(一)の図面記載の赤線と赤線の方向に突き抜けたこと、右爆発直前に、原告中井は高橋ビルの二階の別紙(二)の図面記載の健康産業株式会社の事務所で、また原告鎌田及び原告高橋は別紙(二)の図面記載の高橋ビルの二階の義人党本部事務所で、それぞれ勤務したが、その後原告らは、それぞれ請求の原因3記載のとおり、避難し行動していたところ、右爆発の熱風により火傷を受けたことが認められる(但し、被告会社が有限会社で、被告西村が被告会社の代表取締役であること及び昭和五一年八月二五日午前一一時五五分頃高橋ビルの一階にある中二階の倉庫に置かれていたセルロイドが自然爆発し、原告らがそれぞれ火傷を受けたことはいずれも当事者間に争いがない)。《証拠判断省略》

二  そこで、被告らに、右爆発事故に因り原告らが被った損害の賠償義務があるか否かについて検討する。

1  「失火ノ責任ニ関スル法律」は、我国の木造家屋が多く建て混んだ住宅環境の下では火事が出たときは近隣に延焼して損害を意外に拡大させる危険性があるため、かかる損害のことごとくを失火者に賠償させることは苛酷にすぎ、却って公平を欠くこと等を考慮して失火者の責任を限定し、失火につき故意又は重大な過失があるときにのみその失火につき損害賠償義務を負担させることにしたものであるところ、爆発事故においては、これが起る瞬時には火力をともなうが一般に爆発現象は規模が大きく、その損害の及ぶ範囲が当初より拡大されることが予想できるばかりか、爆発現象を起させる危険物の取扱いについては高度の注意義務が課せられるべきであることなどを考えると、「失火ノ責任ニ関スル法律」所定の「失火」とは「過って火を失し火力の単純な燃焼作用で財物を滅失、毀損させること」をいうものであって、前記の如き爆発事故は右法律所定の「失火」にあたらないと解するを相当とする。そうすると、前記爆発事故については「失火ノ責任ニ関スル法律」の適用はないものといわなければならない。

2  ところで、原告らは、前記認定のセルロイドの貯蔵については、消防法及び危険物の規制に関する政令、又は東京都火災予防条例の適用ないし準用があり、これら法令等に基づき所轄官庁の許可又は届出を要し、貯蔵場所等につき厳格に規制されている旨主張する。しかし、右法令又は条例が適用されるのは一定の数量以上のセルロイドの貯蔵(右法令の場合は同法二条七号別表五類により一五〇キログラム以上の重量、右条例の場合は当裁判所に顕著な同条例五八条により三〇キログラム以上の重量)についてのみであり、前記認定のとおり被告会社が貯蔵していたセルロイドの重量はわずか約五キログラムにすぎないので、右貯蔵については右法令又は条例の適用はなく、右法令又は条例のセルロイドの規制対象重量に比して右貯蔵重量が余りにも少ないことを考えると、この場合右法令又は条例の準用があるものとは云い難い。そうすると、原告らの前記セルロイドの貯蔵につき右法令又は条例の適用ないし準用があることを前提としての被告西村に過失がある旨の主張は失当である。

3  しかしながら、被告西村の指示に基づき被告会社が前記セルロイドを貯蔵していた状況は前記一において認定のとおり小さなボール箱にセルロイドを積み重ねて入れてこれを狭い場所に長年月(約一〇年間)放置していたものであること、《証拠省略》によれば、セルロイドはその原料がニトロセルロースに樟脳を加えたものであって、セルロイドを長く貯蔵していると空気中の微量の水分の作用によってニトロセルロースがセルロースと硝酸に分離され(加水分解)、その分解生成物間の酸化反応によって発熱し、その熱の放散が良くない場所では、発生した熱が次第に蓄積されてこれによりセルロイドの熱分解を惹き起し、次第にセルロイド内部の温度が益々上って分解が急激に進んで遂に発火(発火温度は摂氏一六五度から一七〇度)し、密閉された開口部の狭い所で発火した場合は爆発現象を起すこと、このようなセルロイドの自然発火はそんなに珍しい現象でもないし極めて稀な事故でもなく、東京都内におけるセルロイドによる火災の半数近くはセルロイドの自然発火によるものであり、セルロイドの自然発火による火災は、七、八月にかけて頻発し、前日又は当日の最高気温が摂氏三〇度を超していた場合が殆んどであるが、それ以下の気温でも摂氏二〇度を超すと起る場合があることが認められること、ところが、《証拠省略》によれば、被告会社が前記セルロイドを貯蔵していた高橋ビルの一階にある中二階の倉庫は一階居室が天井を利用した室で、前記爆発事故発生当時は、内部には四段スチール製の棚を並べて被告会社の服装生地、皮革材料及び商品が置かれており、この倉庫の開口部は北及び東側に出入口扉、南側に窓があったが、右南側の窓は床面と同一の高さに取付けられているため窓を常時開放していても通風が不足であり、また右スチール製の棚等で通気が阻害されやすいため熱気がこもりやすい構造になっておったばかりか、前記爆発事故発生日の前日に雨が降ったため、被告西村が右倉庫に雨水が入るのをおそれて右南側窓を閉めたところ、右倉庫内の温度が上昇するとともに湿度も上昇することになり、これらが前記爆発事故発生の重要な原因になったこと、前記爆発事故発生当日(昭和五一年八月二五日)の東京都内の気温は、最高摂氏二三・三度、最低同二〇・九度(平均同二二・一度)、その前日のそれは、最高同三五・四度、最低二一・三度(平均二八・一度)であって、右前日来から降雨があって、セルロイドの自然発火が起りやすい気象条件があったこと、セルロイドが自然発火する前兆としては二、三か月前から変色し始めること、被告西村は、皮革服の製造卸売業には精通しているが、セルロイドについては火気により発火しやすいことの知識はあったものの自然発火することの知識はなく、そのため、前記セルロイドの貯蔵については昭和四二年頃前記倉庫にセルロイドを入れた前記ボール箱を置いたままその後一度もこれを開けず放置していたことが認められること(《証拠判断省略》)などを考え合すと、成程、被告西村は、セルロイドが自然発火する知識はなかったが、セルロイドが発火しやすいものであることの知識はあったし、社会においてはセルロイドの自然発火事故はけっして稀な例でもないばかりか、前記セルロイドは枚数約六〇枚、重量約五キログラムで比較的多量でもあり、これが被告西村の指示で前記ボール箱に入れて前記倉庫に置かれているものであるから、被告西村としては、これを長年月放置せずに時々右ボール箱を開けてセルロイドの状態を点検すべきであり、若し被告西村が右点検を実行しておれば、セルロイドの自然発火の前兆である変色に気付き、これを廃棄する等の処分をなし、前記爆発事故が事前に防止されていた筈であるものと考えられる。しかるに、前記認定のとおり、被告西村は、昭和四二年頃被告会社の従業員が被告西村の指示で比較的多量の前記セルロイドが前記ボール箱に入れられて前記倉庫に放置されていることを知りながら、これが危険物であるとの配慮を殆んどせず、約一〇年間もの長年月に亘って、右箱を開けて右セルロイドの状態を点検したことは全くなくこれを放置していたものであるから、被告西村が前記セルロイドを前記ボール箱に入れたまゝ前記倉庫に放置していた点には過失があり、これに因り前記爆発事故が発生したものといわなければならない。

4  してみれば、前記爆発事故は、被告会社の代表取締役である被告西村が被告会社の代表取締役としての勤務を行うにつきなした過失に因り発生したものというべきであるから、被告会社は、有限会社法三二条、商法七八条二項、民法四四条一項、七〇九条に基づき、被告西村は、民法七〇九条に基づき、各自原告らに対し、原告らが前記爆発事故に因り被った損害を賠償すべき義務があるものといわなければならない。

三  そこで、進んで、原告らが前記爆発事故に因り被った各損害につき検討する。

1  原告中井について

(一)  慰謝料

《証拠省略》によれば、原告中井(昭和二五年六月四日生れの女性)が前記爆発事故により受けた受傷程度、その治療経過、後遺症の程度は請求の原因6の(一)の(1)記載のとおりである(但し、右後遺症の程度は自動車損害賠償保障法施行令の別表の傷害の後遺症の等級第七級の一二の「女子の外貌に著しい醜状を残すもの」にあたる)こと、原告中井は、前記爆発事故当時結婚適齢期にあったが、右受傷ないし醜悪な右後遺症が原因で容易に結婚相手を見つけにくく、縁遠くなって未だに独身のまゝであり、これらにより多大の精神的苦痛を受けたこと、被告会社は原告中井の入院中見舞い、その治療費は病院に立替支払ったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。右認定の諸般の事情を勘案すると、原告中井の右精神的苦痛に対する慰謝料は金六五〇万円をもって相当と認める。

(二)  雑費

右(一)において認定の事実及び《証拠省略》によれば、原告中井は、右認定の入院期間(三六日間)中一日あたり金四〇〇円の雑費を要し、右期間中の右雑費の合計は金一万四四〇〇円であるものと認定でき、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(三)  付添看護料

右(一)において認定の事実及び《証拠省略》によれば、原告中井は前記(一)において認定の入院期間(三六日間)中付添人を要し、原告中井の父母に付添ってもらったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はなく、右認定の事実によれば、その付添看護料は一日あたり金二〇〇〇円、右期間中の右付添看護料の合計は金七万二〇〇〇円であるものと認めるを相当とする。

(四)  そうすると、原告中井の損害は右(一)ないし(三)の各損害の総合計金六五八万六四〇〇円であるものといわなければならない。

2  原告鎌田について

(一)  慰謝料

《証拠省略》によれば、原告鎌田(昭和一一年三月二六日生の結婚し子供のある男性)が前記爆発事故により受けた受傷の程度、その治療経過、後遺症の程度、及び一時就労出来なかった状況は請求の原因6の(二)の(1)記載のとおりであり、これらにより原告鎌田は多大の精神的苦痛を受けたこと、被告会社は原告鎌田を入院中見舞い、その治療費を病院に立替支払ったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。右認定の諸般の事情を勘案すると、原告鎌田の右精神的苦痛に対する慰謝料は金二五〇万円をもって相当と認める。

(二)  雑費

右(一)において認定の事実及び《証拠省略》によれば、原告鎌田は右認定の入院期間(五七日間)中一日あたり金四〇〇円の雑費を要し、右期間中の右雑費の合計は金二万二八〇〇円であることが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(三)  付添看護料

右(一)において認定事実及び《証拠省略》によれば、原告鎌田は前記(一)において認定の入院期間(五七日間)中付添人を要し、原告鎌田の妻及び母に付添ってもらったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はなく、右認定の事実によれば、その付添看護料は一日あたり金二〇〇〇円、右期間中の右付添看護料の合計は金一一万四〇〇〇円であるものと認めるを相当とする。

(四)  交通費

右(一)において認定の事実及び《証拠省略》によれば、原告鎌田の前記(一)の入院期間中、原告鎌田の妻や母が見舞又は付添看護のため原告鎌田の自宅と病院を他に交通の便が悪いためタクシーを利用して往復せざるを得なく、また原告鎌田が前記火傷の治療の通院のため同じく交通の便が悪いためタクシーを利用したことがあり、これらの費用として少なくとも合計金五万三三六〇円を支出したことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(五)  下着その他の物品代金一万八八〇〇円

《証拠省略》によれば、原告鎌田は、前記(一)において認定の入院期間中右物品を購入し、その代金一万八八〇〇円を支出したことが認められるが、前記(二)において認定の雑費よりほかに右物品購入代金を要したことの裏付証拠はないから、右物品購入代金は前記(二)において認定の雑費中に含まれているものと推認せられ、従って、右雑費よりほかに右物品購入代金の損害は認め難い。

(六)  そうすると、原告鎌田の損害は右(一)ないし(四)の各損害の総合計金二六九万〇一六〇円であるものといわなければならない。

3  原告高橋について

(一)  慰謝料

《証拠省略》によれば、原告高橋(前記爆発事故発生当時三三才の男性)が前記爆発事故により受けた受傷の程度、その治療の経過、後遺症の程度及び一時就労できなかった状況は請求の原因6の(三)の(1)記載のとおりであり、これらにより原告高橋は多大の精神的苦痛を受けたこと、被告会社は原告高橋を入院中見舞い、その治療費は病院に立替支払ったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。右認定の諸般の事情を勘案すると、原告高橋の右精神的苦痛に対する慰藉料は金八〇万円をもって相当と認める。

(二)  雑費

右(一)において認定の事実及び弁論の全趣旨によれば、原告高橋は前記(一)において認定の入院期間(三六日間)中一日あたり金四〇〇円の雑費を要し、右期間中の右雑費の合計は金一万四四〇〇円であることが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。

(三)  付添看護料

右(一)において認定の事実及び弁論の全趣旨によれば、原告高橋は、前記入院期間のうち七日間付添人を要し、原告高橋の勤務先の同僚に付添ってもらったことが認められ、右認定を覆すに足りる証拠はなく、右認定の事実によれば、その付添看護料は一日あたり金二〇〇〇円、右期間中の右付添看護料の合計は金一万四〇〇〇円であるものと認めるを相当とする。

(四)  交通費及びバスタオル等の購入代

原告高橋は、前記受傷の治療のため、交通費として金三六〇〇円、またバスタオル及び浴衣代として金七〇〇〇円の各支出を余儀なくされた旨主張するが、右主張事実を認めるに足りる証拠はなく(原告鎌田はその本人尋問において右事実がある旨供述しているが、右供述部分はその供述自体からして自己の体験した事柄を述べたものでなく、単に想像にもとづくものであることが認められるから、採用できない。他に右事実を認めるに足りる証拠はない)ので、右主張は認められない。

(五)  そうすると、原告高橋の損害は、右(一)ないし(三)の各損害の総合計金八二万八四〇〇円であるものといわなければならない。

四  以上の次第で、被告らは、各自、原告中井に対し前記三の1の(四)の損害金六五八万六四〇〇円、原告鎌田に対し前記三の2の(六)の損害金二六九万〇一六〇円、原告高橋に対し前記三の3の(五)の損害金八二万八四〇〇円、並びにこれらに対する前記不法行為の日ののちの日である本件記録上明らかな本訴状が被告らに送達された日の翌日の昭和五二年三月五日から完済に至るまで民法所定の年五分の割合による各遅延損害金を支払う義務があるものといわなければならない。

五  よって、原告らの被告らに対する各請求は、原告らが被告らに対し右四において認定の各損害金及びこれに附帯の遅延損害金の支払いを求める限度において理由があるから、これらの部分を認容して、その余を失当として棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法八九条、九二条、九三条を、仮執行の宣言につき同法一九六条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山﨑末記)

〈以下省略〉

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